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2009年7月14日
■夢の架け橋、淡路大会
-倉橋前中央執行委員長から前田新中央執行委員長へ夢を託してバトンタッチ!-




 JR西労組第21回定期中央本部大会は7月8日から10日までの3日間の日程で兵庫県南あわじ市「南淡路ロイヤルホテル」に於いて、代議員・傍聴者を併せ500名を超える参加者のもと、3日間を通じて最終的には、次代への継承を印象づける熱気あふれる大会を開催しました。
 
 大会初日の7月8日、15時、神戸地方検察庁がJR西日本代表取締役社長山崎正夫氏に対して業務上過失致死傷罪による在宅起訴を発表しました。これを受けて、山崎社長が退任を表明すると言う極めて衝撃的な状況での大会の幕開けとなりました。
 私たちJR西労組は、今回の起訴に対して経営幹部のみならず、JR西日本に働く者として、起訴事実をしっかりと受け止め、JR西日本の社会的な信頼回復に向け今一度、気持ちを引き締めなければなりません。そして「安全基本計画」に基づき、安全輸送の確立に向け、日々の業務に取り組んでいくことを大会構成員の総意で確認するとともに、職場で安全輸送に奮闘する組合員に伝え、更なる安全確立に向けて取り組むことを確認しました。
 
 第21回定期中央本部大会の運動方針を基調に、労働組合の社会的責任を認識しながら、そして責任組合として、運動を力強く推進していくことを提起しました。
 言うまでもなく、真に安全・安心な鉄道を取り戻すことが、JR西日本グループの発展を築き、組合員の雇用と生活を守ることだと考えています。そして、その目的を達成するにあたっては、労働組合の強みである現場からの提言、検証活動が特に福知山線脱線事故以降重要になっていることは言うまでもありません。
 本年度は、日本経済の深刻な低迷が続き、雇用問題をはじめ、社会の矛盾や問題が更に拡大する厳しい展望にあります。また、人口は減少し、特に地方の過疎化は深刻な状況に陥っており、私たちを取り巻く環境は急激に悪化し、残された課題は山積しています。こうした時こそ、私たちは、公正と連帯という労働組合の責務を認識し、社会正義としての労働運動を進め、社会・経済の変革の一翼を担わなければなりません。
そして、特に留意すべき基調として、JR労働者の最大の使命である安全の確保を最優先課題に位置づけ、JR連合「安全指針」を基礎に、引き続き「安全基本計画」の着実な実行と検証活動を進め、安全の確立に全力で取り組むことを確認しました。
また、大会で骨子を提起した、新中期政策ビジョン(仮称)に基づき、「力と政策」でJR西労組運動の一層の前進を図るとともに、組織の強化・拡大を進めることで安全確立の下支えとすることも確認しました。
 また、福知山線列車事故後に中央執行委員長に就任された倉橋委員長をはじめ、執行部19名中(会計監査含む)10名が勇退し、大幅な役員改選となりましたが、確かな継承を印象づける新役員を選出しました。
※詳細は、JR西労組ニュースを参照願います。

こうした認識に立ち、サブスローガンでもある運動の柱となる6点について、そのポイントを紹介します。

[本年度の運動の柱]
 

1. 安全文化を確立し、真に信頼される鉄道を創り上げる

 安全文化は、私たち働く者の手で作り上げて初めて真に定着するものとなることは言うまでもありません。昨年3月に労使の徹底した議論を経て、「安全基本計画」を策定しましたが、その実行度合いや課題を現場の目線でしっかりと検証することが私たちに求められています。浸透度合いを検証した「リスクアセスメント」については、一定の定着が見受けられるものの、事故再発防止に資するものになるまでに至っておらず、引き続き検証活動を進めていかなければなりません。また、今日まで実施されてきた会社施策についても引き続き検証活動を進め、安全・安心な鉄道を創りあげることとします。
 また、お客様の安全は、私たち労働者の安全が守られてはじめて創り上げることが出来るものであり、今年度は特に協力会社を含めた「すべてのJR関係労働者の死亡事故・重大労災ゼロ」を達成すべく、重点的に取り組むこととします。「拡大安全対策委員会」、系統別の「出向者対策委員会」、あるいはJR西日本連合の取り組みを通じて、安全体制を更に整備するとともに、その前提としての、賃金を含めた労働条件の改善や労働環境の整備を進めていくことに取り組みます。

2. 「新中期政策ビジョン」(仮称)に基づき、運動の前進を図る

 私たちJR西労組は、今日まで「力と政策」、「対立と協力」を基軸に、安全問題を含めた業務課題や、春季生活闘争をはじめとする労働条件の改善、あるいは政策課題の解決の取り組みを進めてきました。中期運動指針「ステップ21」は、福知山線脱線事故後に、安全文化の確立、自信と誇りの持てる職場作り、次代への継承(技術・技能、労働運動)の3本柱に再構築し、昨年から総括を行い、成果と残された課題を明確にしてきたところです。その総括内容を基本に策定する「新中期政策ビジョン」(仮称)では、ワーク・ライフ・バランスの実現や、グループを含めた社員が働きがいや誇りの持てる賃金を含めた労働条件や労働環境の整備など、新たな政策提言を行い、JR西労組運動の前進を図ることとします。
 また、次代を担う青年女性組合員も10,000名を超え、JR西労組全体の約4割を占めるまでに至っています。中期的なビジョンを視野に置きながら、これまで以上に青年女性委員会活動を強化し、分会、支部活動を担う若手リーダーの育成を強化することに取り組んでいきます。

3. 民主化闘争勝利、一企業一労働組合の実現に向けて、組織の強化、拡大に総力を結集する

 多くの新しい仲間を迎えた結果、組織率は昨年当面の目標であった90%を超えました。限りなく一企業一労働組合を実現するために、組織率95%を早期に達成するとともに、JR西労組の運動の継承を着実に行うことで組織の強化を図り、安全課題をはじめとする業務課題の解決に資する体制を整えることが肝要です。福知山線脱線事故以降、JR総連・JR西労は、安全を運動の道具にした、会社倒産運動に傾注しており、もはや労働組合の体をなしていません。彼らの運動に真っ向から立ち向かうことの出来る組織力をつけて実践することが、民主化支援単組として大切な取り組みだと考えます。
 また、JR連合が強力に進める民主化闘争については、浦和電車区事件の高裁判決では控訴棄却となり、有罪確定が間近に迫っています。被害者吉田氏の復職支援を含め、引き続き中核単組として、人権を守り、JRから革マルを追放する、社会正義の闘いを進めていきます。

4. 労働組合運動への男女平等参画を進め、男女共同参画社会を実現する

 労働組合における男女平等参画推進の目的は、仕事における男女平等参画を実現すること、そして男女双方の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)、男女共同参画社会を実現することにあります。とりわけ女性の労働組合活動への参画については、今日まで青年女性委員会を中心に進めてきましたが、支部、分会などの基本組織への参画は未だ不十分な状況だと言えます。今日までの成果と課題を明確にしながら、ワーク・ライフ・バランス、男女共同参画社会の実現に向けて取り組むこととします。

5. 鉄道の特性を活かし、地域の活性化と地球環境保護に貢献する

 私たちはJR西日本の路線の半分以上を占める地方ローカル線問題を中心に、地域活性化運動を展開してきています。鉄道は地球環境に優しいと言われていますが、乗っていただいて初めてその特性を活かすことが出来ると言えます。そのためにも、自治体訪問やJR西労組地方議員団会議を通じた提言活動など、地方自治体との連携強化が必要不可欠であり、かつ、鉄道エゴに陥らない、幅広い連携が重要だと考えます。これまで以上に、リーダーシップを発揮し、地域活性化に取り組むとともに、地球環境保護に貢献することとします。

6. 来る総選挙の勝利に全力をあげ、国民本位の政治を取り戻す

 今秋までには必ず衆議院議員選挙が実施されます。麻生政権の迷走ぶりには目を覆うばかりであり、年金制度の破綻や医療制度の改悪などで、私たちの暮らしの安心は遠ざかる一方です。明るい未来、明るい社会を取り戻すためには、自公政権にNOを突きつけ、生活者本位の民主党を基軸とする政権交代を実現しなければなりません。そのためにも、来る総選挙必勝、JR西労組が推薦する候補者の全員当選、そして組織内議員の三日月大造氏の三選に向けた取り組みを全力で進めることとします。


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