新年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
新年にあたって、昨年の政治、経済、社会全般を振り返ると、どちらかというと暗い話題が多かったのではないのかと思います。
昨年を漢字一文字で表すと、やはり「偽」となります。企業不祥事だとか偽装表示、賞味期限の改竄など、世界的にも有名なブランド企業や老舗が、そのような不祥事を立て続けに引き起こしました。
もちろん私どもJR西日本も、世間に対してとやかく言える立場にないことを重々承知しております。というのも、二〇〇五年四月二十五日の福知山線で引き起こした重大脱線事故、その翌年の一月二十四日の伯備線における殉職事故、そういったことを自らが引き起こした立場にあるからです。
改めて、コンプライアンス(法令順守)とかコーポレートガバナンス(企業統治)といった言葉で、企業活動に対するモラル意識の重要性が叫ばれています。
私ども、JR西労組は、「安全を最優先する企業風土」の確立、事故を風化させない取り組みを、「安全文化作り」としています。私達は今、「安全文化」を作り上げていくために、懸命に取り組んでいるところであります。今年は、「安全文化」を作っていくための新たな段階に入って行くこととなります。
次に、JR西労組としては、当然、労働条件の維持・向上、そして、雇用の安定・拡大が、必然的な課題であります。なかでも春闘です。昨年の春闘では、我々の置かれている環境・立場が、世間とは若干違っているという認識を持っています。世間は「いざなぎ」を越える好景気という後押しの中で、それぞれの産別・各組合がベアを要求して、大きな成果を勝ち取ったといえます。私どもが置かれていた立場というのは、福知山線事故で亡くなられた方の三回忌直前に迎え、ある面では逆風の中での春闘でした。
しかし、社員、組合、ご家族の皆さん方の支援・頑張りによって、会社として一定の目処も立つようになりました。そして、私どもの企業は、少なくとも人様の弱みにつけこんだり、人を騙したりして商売をするような企業ではありません。世のため人のために、役に立っているという「誇り」と、世の中に対して責任ある仕事をしているという「自覚」を回復してもらいたい。それがJR西労組の強い思いの春闘でした。
その中で、ベースーアップという表現は使えませんでしたが、実質基本給に四〇〇円を加算させることができました。そして、これが西日本グループ会社への波及効果を生み、一定の成果を作ることが出来たと思っております。今年は、少なくとも金額的には昨年以上のベースアップを勝ち取れる春闘にしたい。その意味でもみなさんの支援が必要となってきますのでよろしくお願いします。
三点目は、労働組合と政治の関わりです。昨年一年間は、統一地方選挙、夏の参議院選挙、その他の地方選挙と、気がつけば、選挙漬けの一年でした。そのため、皆さん方には、お願いばかりの一年でした。私どもが推薦した候補者や政党が躍進した一年でもありました。これも皆さん方の力によるものと感謝申し上げます。
民主党の躍進で、政権交代への大きな足がかりが作られた参議院選挙であったという総括をしていますが、衆議院の解散総選挙を睨んで、当然自前の三日月大造議員の三選を目指しています。必勝の取り組みをみなさんぜひともよろしくお願いします。
四点目に、産別の取り組み、JR連合の取り組みということで、JR東・北海道・貨物の民主化の取り組みも重要な取り組みでした。JR連合としては、民主化を実現させていくために、JR総連とJR連合の対立軸を明確に打ち出して、署名活動に取り組んでいただきました。
おそらく今年は、民主化の動きが大きなうねりとなって、我々の求める社会への道が、さらに開けてくるのではないかと期待しています。
最後になりますが、私も委員長を引き継いで丸二年が経過しました。自分自身まだまだ未熟ですが、昨年一年盛り上げていただき、感謝を申し上げます。
今年もね皆様方の先頭に立って、頑張ってまいりたいと思います。今年もよろしくお願いします。
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