安倍政権発足後初の全国規模の国政選挙となった第21回参議院議員選挙は、29日投開票が行われ、民主党が焦点の1人区で相次いで勝利を収め、自民党は30議席台にとどまる歴史的惨敗を喫した。与党は非改選を含め参議院で過半数を大きく割り、民主党は参議院第一党となり、大躍進を果たすことができた。
今回の厳しい審判は、急速に増大した「政治不信」と「将来不安」に、安倍政権が的確に応えられなかった結果である。「政治不信」は、政治資金問題など「政治とカネ」をめぐる閣僚の不祥事や相次ぐ失言により拍車がかかり、安倍総理の任命責任が厳しく問われたと言える。また、「将来不安」は年金の記録漏れ問題で一挙に高まり、もはや年金が「百年の安心」と考える国民がいないことが明らかになったとも言える。
衆参両院のねじれは、政局が不安定になり、緊迫の度を深めることとなったが、強行採決を多発し、もはや民主的な国会運営が期待できなかった状況を考えれば、ようやく政治が私たち国民の手に戻る足がかりができたことを素直に喜びたい。
私たちJR西労組が推薦する選挙区候補は12名が当選した一方で、JR連合の準組織内候補「たまきかずや」氏については、民主党への大きな風を捉えきれず、惜敗する残念な結果となった。「たまき」氏必勝に向け、今日までのJR西労組の組合員・ご家族の奮闘にあらためて敬意を表し、厚く御礼を申し上げたい。ただ、みかづき選挙で培った力の全てを活かしきったとは言えず、中央本部そして各地方において取り組みの振り返りを行うことが求められる。
私たちは、6月28日の、福知山線列車脱線重大事故の航空・鉄道事故調査委員会の最終報告を厳粛に受け止め、二度と同じ事故を起こさない、事故を絶対に風化させない、という思いで地道に日々職場から安全・安心をつくり上げているが、組織の充実・強化がその土台となることは言うまでもない。民主党は今回の結果を受け、衆議院の解散・総選挙に早期に追い込みたいとしているが、私たちは一層組織の充実・強化を図り、来るべき衆議院解散・総選挙に備えなければならない。
政権交代、そして来るべきみかづき選挙必勝に向けて、引き続き全組合員の団結と総意を結集することを確認し、第21回参議院議員選挙結果に対する中央執行委員会の見解とする。
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