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2007年6月1日
■「勝訴」鉄道従事者に高裁判決
 -「社会的倫理」が認められる-
  
 平成十六年十一月二十六日、芸備線・広島駅発三次駅行快速列車が、停車駅である上三田駅を通過した事故で、当時車掌業務についたJR西労組広島地本の仲間が、「非常ブレーキを用いて駅に停車させるべき職務上の注意義務を怠った」として、可部地裁から鉄道営業法違反の略式命令に問われていた事件に対し、同地本は異議申し立ての係争中にあったが、五月二十九日、広島高裁は「被告人は無罪」とする主文判決を言い渡した。過度な可部地裁判決に、「刑事罰は公訴権の濫用」とした全国の鉄道従事者の戦いは、高裁の「社会常識を重んじた倫理」として、一幕を引いた。

 可部地裁の第一回公判から一年十ヶ月が経過―。 「無罪判決」をうけて開いた広島YMCAホールでの報告集会で、当時の車掌として刑事罰に問われてきた東谷将之組合員は、広島地本が中心となった九万名を超える署名活動や控訴審の度の支援活動に対して、あらためて謝辞を述べたうえで「組織と仲間づくりの大切さ」に活動を展開する決意を表明した。 報告集会にはJR連合の慶島部長をはじめ、本部から古林副委員長、中嶋組織部長、広島地本の山本委員長を筆頭に約七十名が参加、明治三十三年施行した鉄道営業法の今日的意義や拡大解釈、適切な判決を求めてきた活動経緯にそれぞれの立場からあいさつ、無罪判決に対して緊張感と安堵の色を漂わした。
 
 二十九日十時二十分、広島高等裁判所三〇二号法廷は、「被告人(東谷氏)が、上三田駅を通過することに気付かず、それを放置した過失があった旨認定した地裁判決は、被告人に過失があるということは困難」と判決理由を付した。 また地裁が刑事罰の根拠とした鉄道営業法二十五条の罪に関しては、「同条は具体的危険犯を定めたもので、その犯罪の成立には危険が発生する可能性が認められることが必要」と述べ、「具体的危険が発生したと認定するには、なお合理的な疑い残る」として無罪を言い渡した。 JR連合や全国の鉄道関係者をはじめ、本部、広島地本では、広島高裁での幕を引く判決を受けて、今後、検察側の動向(=上告)が注視されるが、極めて社会性を重んじた判決に鑑みても、無罪確定が近いことに確信を強めるものである。 今日まで「鉄道営業法違反における適切な判決を求める活動」に尽力を傾注された全組合員の皆さんに、心から敬意を表します。

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