三日月大造君の必勝に向けた特別決議

 小泉政権が誕生し、二年有余の歳月が経過した。「聖域なき構造改革の推進」を唱え、「古い自民党 を壊す」と大言壮語してきたが、政官業の既得権益擁護団体の抵抗もあり、利益誘導型の古い自民党政 治と何ら変わっていない。結果は長引く景気低迷に手をこまねき有効な政策が実効されなかったばかり か、デフレ経済そのものを放置し、企業倒産・失業者の増加を招く、弱者に皺寄せする政治でしかなか った。医療・年金等の社会保障制度改悪に見られるように小泉内閣が言う「痛み」とは国民が背負うも のであり、とりわけ弱者に強いるものであったことは明白である。

 さらに愁うるべき問題は、我国の社会が極めて危機的なる状況に陥りつつあるということである。犯罪 年齢の低年齢化とともに冷酷な社会犯罪事件の増加は言うにおよばず、企業自身の倫理観欠如からくる 企業犯罪の増加、国会議員等の汚職・逮捕事件の多発化等の目に余る社会犯罪が増加している。また、 長引く景気低迷は高校生等の就職内定率を低下させる一方で生活保護世帯も増加させている。さらに、 毎年三万人を記録している年間自殺者数の高止まり、離婚率の増加等々の社会不安を煽る諸問題が巷に 渦巻いている。今、まさに社会の危機に瀕している。

 そうした国民生活に直結する社会不安の是正は優れて政治のリードに帰される課題である。にも関わ らず、小泉政権は「聖域なき構造改革」「三位一体改革」など言葉は勇ましいが、すべてにおいて中途 半端であると言わざるを得ない。そのような政治のあり方に疑義を呈し、企画提案型運動の観点から政 治の場面にもコミットするために、「勤労者の代表を国会へ!」「我々JR西労組の代表を国会へ!」 送りこみ、本当の意味での政治改革を成し遂げなければならない。

  また、環境問題が声高に叫ばれる中、JR連合が策定した鉄道の特性を活かした持続可能な交通を目 指した「21世紀鉄道ビジョン」の実現には政治・行政の役割は非常に大きいものがある。奇しくも、 我JR西労組の青年女性委員会の委員長を歴任した三日月大造君が総選挙への出馬の決意を固めたこと は、JR西労組全体からしても歓迎すべき出来事である。さらに、胸突き八丁に差し掛かった「JR東 労組の民主化」の闘いの完全勝利のためには、三日月大造君の必勝はその一里塚でもある。三日月大造 君が国政選挙に打って出る決意をJR西労組の全組合員のものとして受けとめつつ、想定される衆議院 解散総選挙に向けた必勝体制の整備を図っていくことを強く訴えるものである。 滋賀県三区においては、元首相の故宇野宗佑の娘婿である宇野治が自民党の公認候補となるなど選挙情 勢は極めて厳しい情勢下にある。しかしながら、幾多の難関を克服し選挙闘争を勝利的に推し進めてい くために、三日月大造君の必勝を全組合員の意志とするために右決議する。

二〇〇三年七月十一日

西日本旅客鉄道労働組合

第十五回定期中央本部大会